子どもが一番(本当に大切なものを大切に)

子どもが一番

 

 先日、街を歩いていると、子どもが泣きながら、「抱っこしてー。抱っこしてー」とお母さんに手を伸ばしていました。お母さんは怖い顔をして無視し続けています。子どももお母さんも、とても悲しい気持ちだと思います。私自身も息子が幼かった頃に何度か経験した場面です。大切で可愛いからこそ、どうしたらいいのか分からず、悲しいし怒りが込み上げてくるのです。叱ってしまいます。そして、状況は悪化します。私は今だからこそ、子どもの気持ちも少し分かるのですが、子どもは、まず悲しい気持ちを分かってほしいのです。そして受け止めてほしいのです。親にしてみれば、時間の制約も、教育上の思いもあって、これ以上、子どもの言う事を聞いてあげられないと思い、「何度言ったらわかるの。何度してあげたら気がすむの」と言った気持ちになり、怒りが湧いてきます。でも子どもにとっては、片手間に相手にされても満足は得られないのです。ですから、一旦、次の予定は無視して腹を括って子どもと向き合わない限り、泣き止みません。足を止め抱き上げて抱きしめてあげて下さい。あなたがお母さんにとって一番なのだという事を明確に伝わる様に向き合うのです。子どもの不安を取り除く事が大切です。その上で、子どもに相談すると良いと思います。5分ほどで十分です。次の予定やお母さんが困っている事を話して下さい。その時の注意は、本当のことを正直に話すと言うことです。大袈裟や嘘は駄目です。そして、自分が主語で話して下さい。お婆さまがかわいそうだから、とか、お父さんが怒るからではなく、お母さんはこうしたいと思っている。困っている。と話して下さい。子どもも安心できれば、お母さんの役に立ちたいのです。納得してくれます。それでも駄目なら、次の予定はキャンセルしましょう。こどもより大切なものなどないのです。またの機会がありますし、多くの場合はリスケジュールができます。立てた予定や小さな優先順位など捨てていいのです。子どもが一番大切。他人に気遣いのできる優しい人ほど悩んでしまう事が多いのですが、一番大切なものを一番に大切にしましょう。(2021年12月)