一本の矢

一本の矢

 

 「不健康は運動不足と食べ過ぎだ」と養老孟司先生がおっしゃったのを聞いて以来、気をつける様にしています。運動に関しては、ラジオ体操とスローランニングをできるだけ欠かせない様にしていますが、食べることに関してはなかなか難しいです。ネット上で「並んでも食べたいラーメン屋特集」とか、「東京美味しいカレー店10選」とかを見てしまうと、ついつい暗いキッチンに行き、冷蔵庫を開けコソコソとお煎餅やスルメイカを引っ張り出してしまうのです。

「人の行動はビリヤードのボールの様に目の前で起きている現象に影響され、決定する」と聞いた事があります。美味しい特集を見てしまったので、冷蔵庫を開けてしまったのかもしれません。それが全てではないにしろ、大きな影響を与えていることは確かです。

常に誰かの影響を受けて自分の行動が決まる。と言うことは、どんな犯罪でも、自分は全くの関係ないとは言えないと言うことです。悪いことをやった、その人の行為のきっかけの一部は自分が背負っていると言うことになります。悪いのは彼ですが、私であり、あなたでもあるのです。ウクライナで起きている戦争も誰かに責任を押し付けようとしていては解決できないのでしょう。私たち大人の責任なのです。傷つく子供たちを目の前にして本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。では、何ができるのでしょう。気持ちの整理のために自分が正義になるために悪役を作り出し罵倒し攻撃することは簡単です。でも解決にはなりません。明快な解決策は分かりませんが、一矢報いたいのです。その一矢が急所に当たらなくても、次に繋がることを願い信じて打ち続けるしかできないのでしょう。思いを込めて自分の行動と言葉が子供達の幸せに向かうように、深く願って行動と思考の矢を撃ち続けるしかできません。子供たちの今と未来が守り続けられますように、健康が守られますように、嬉しいこと楽しい事が溢れる毎日でありますように、深く祈りながら毎日行動します。目の前の一つ一つ、やらなくてはと思うことをやり続けます。

2022年3月